
学校生活
始業式校長講和

2022年度9月1日 第2学期高校始業式講話
本日から2学期が始まります。コロナ禍の第7波の感染拡大が続いています。今日の始業式も、皆さんの健康と安心・安全面を優先させ、放送で実施することとしました。
さて、今日の始業式では二つの話しをします。一つ目は、Ⅰ学期の終業式でも話した話題です。2月24日から始まったロシアによるウクライナ侵攻は、すでに半年以上が過ぎました。この間にロシア軍の兵士は、7万人から8万人が亡くなったと言われています。そして、当たり前のことですが、戦闘はウクライナ領土内で起こっているわけですから、ロシアの市民の犠牲者は一人もいません。一方のウクライナ側は、亡くなった兵士が9000人、そして市民は、子供も含め約5600人あまりが犠牲になったと言われています。また、この間、約1600人を越えるウクライナの皆さんが日本での生活を余儀なくされています。テレビ等では、連日のように、ウクライナの皆さんが日本で懸命に生きていっている様子が紹介されおり、皆さんも目にする機会があることと思います。つい先日も大学の卒業を間近に控えたウクライナの学生の様子が紹介されていました。その学生は、卒業後はさらに大学院で学ぼうと決意していた矢先に、突然、日常が奪われ、思い描いていた夢も打ち砕かれました。皆さんが、その学生の立場だったらどうでしょうか、突然、日常が奪われるばかりか、別の国で生活せざるを得なくなっている。戦争とは、改めて、多くの人の人生そのものを強引に変えてしまう、多くの理不尽さを秘めていることを痛感しました。そんな映像を見るにつけ、私自身も何か出来ることはないのだろうかと、今、真剣に考え始めています。皆さんも例えば今度の文化祭の中で、何か出来ないのでしょうか。是非、皆さんには、このウクライナをめぐる問題で、何か自分にも出来ることを探してみて欲しいと心から期待しています。
二つ目の話題です。この夏の甲子園の高校野球は、3年ぶりにブラスバンドやチアの応援も加わり、日本の夏の風物詩が戻ってきた高揚感がありました。結果は、東北勢として始めて仙台育英高校が優勝を果たしました。そして、試合後の須江 航(すえ わたる)監督のインタビューが大きな話題を呼びました。
『青春って、すごく密なのに、今の高校生達は、多くのことをダメだ、ダメだという高校生活を強いられてきました。仙台育英の生徒は、たまたま頂点にいるだけで、ここまで来られたのは、本当に多くの高校生が真剣に野球に関わってきてくれたからです。その意味では、すべての高校生の皆さんに拍手を贈って頂きたいと思います。』
この須江監督のインタビューには、私自身もすごく感動しました。高校生活は、すごく密という表現は、もちろん部活動だけではありません。文化祭や体育祭、そして研修旅行などの体験を通して、仲間と喜びや感動を分かち合う時間のことを『密』と表現されたのだと思います。私自身も、皆さんにそんな時間を体験してもらうことが出来ない歯がゆさや空しさを強く感じていたがゆえに、余計に共感を覚えました。
今年度に入り、コロナ禍は収束されない中でありながらも、多くの部活動の大会が出来るようになりました。そんな中で、頑張っている千葉明徳の生徒の皆さんにも、全力で大きな拍手を贈りたいと思いました。
それでは、間もなく2学期が始まります。先日、8月24日からは、16名の生徒の皆さんが3年ぶりにオーストラリアに短期留学に出発し、4日に帰国する予定です。今後、2学期が始まっていく中では、文化祭・体育祭そして2年生の研修旅行なども、是非予定通り進めていきたいと思っています。それには、生徒の皆さんの感染防止対策の徹底が不可欠です。ご協力をお願いします。
それでは、この2学期を始めるに当たり、文化祭や体育祭は、全校の一体感が大切です。ここまで頑張ってきた皆さんに対して、そしてこの2学期、全員で頑張っていく決意を込めて、教室に座ったまま、声は出さずに大きな拍手を贈り合ってみたいと思います。先生方もご一緒にご協力をお願いします。それでは、用意はいいですか、せーので拍手をして下さい。
せーの 『拍手!!!』
はい、ご協力有り難うございました。それでは、この2学期が皆さんにとって大きく成長する時間になることを心から願い、始業式に当たってのお話しとします。