学校生活
1学期終業式
7月20日、1学期終業式を迎えました。今回は新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、放送での実施となりました。明高生にとって、充実した夏休みとなりますように!
<校長講話>
皆さん、おはようございます。2022年度が始まって4ヶ月が経ちました。今年度のスタートは、3年振りに体育館で始業式を行うことが出来ました。
さらに、5月10日には、全校遠足も実施することが出来ました。3年生にとっても3年目にして始めて経験することの出来た校外学習でした。今回の遠足は、クラスの親睦を深めることを中心に据え、クラス毎に思い思いの企画を立てて実施されました。たった1日の遠足ではありましたが、その後の皆さんの様子を観ていて、改めて行事の大切さを感じる出来事でした。
この1学期は、部活動についての制限もほぼ解除された状況で、3年生にとっての最後の大会も予定通り実施することが出来ました。その中で、柔道部の皆さん、バドミントン部の皆さんは、県大会で優秀な成績を修め、それぞれ関東大会に出場しました。そして、水泳部の皆さんは、県大会の多くの種目で入賞し、夏休み中に開催される関東大会に出場します。さらに、チアリーディング部の皆さんは、関東大会で見事に優勝し、夏休み中に行われる全国大会ジャパンカップに出場します。本来なら、今日の終業式では、各部の皆さんの健闘を称えるとともに、また、これから試合のある皆さんの健闘を祈り、壮行会を実施したかったところでしたが、こうした状況の中で出来ないのがとても残念です。ここに各部の皆さんの健闘を心から期待し、全校生徒の皆さんと共にエールを贈ります。全力で頑張ってください。
また、硬式野球部の皆さんは、4回戦まで進み、全校を大いに勇気づけてくれました。そして、吹奏楽部・ダンス部・チアリーディング部の皆さん、3年ぶりのグラウンドとスタンドが一体となった応援も素晴らしかったです。ご苦労様でした。
さて、今日は、1学期終業式にあたり、この間に起こった社会の動きについて、皆さんと幾つか考えてみます。
1つ目は、2月24日から始まり、すでに約5ヶ月間に亘って続いているロシアによるウクライナ侵攻の問題です。今も戦闘状態にある中で連日テレビ等では、信じがたい光景が映し出さされています。そして今、この問題は、ロシアのウクライナ侵攻という問題だけに止まらず、食糧問題やエネルギー問題を巡っては、世界を大きく二分してしまう構図にまで拡がってきています。皆さんは、こうした、現実を正しく理解出来る力、そしてそのことに対しての自分の意見を表明出来る力をつけていくことが必要になってきています。
2つ目は、先日の参議院選挙の話題です。4月の始業式で私は、成人年齢が146年振りに引き下げられるという話しをしました。3年生で成人になった皆さんは、先日の参議院選挙では有権者でした。今回の参院選の全体の投票率は、52.05%だったのに対して、18歳の投票率は38.67%に止まりました。年代別では、最も高い年代は60代、次に70代、そして50代と続きました。そして、今回の参議院選挙での20代の投票率は30%台にとどまりました。つまり、今回の参議院選挙に限らず、日本の多くの選挙は、50代以上の年代層の意思で当落が決まっていると言っても過言ではありません。
こうした現状を踏まえ、千葉明徳で学んだ皆さんには、選挙は社会人として自分の意思を表明する大切な機会であることをしっかり胸に刻んでおいて欲しいと心から願っています。
さらに、成人年齢の引き下げによって来年4月からもう1つ正式に変わることがあります。それは、裁判員制度で、なんと18歳成人で裁判員に選出されることが正式に決まりました。つまりは、今の2年生からは、なんと高校在学中に裁判員に選出される可能性があります。裁判員ともなれば、1人の成人として、その犯罪に対する話し合いに参加し、自分の意見を表明していかなければなりません。皆にとって、成人年齢の引き下げにより、ますます様々な力を身につけていかなければなない時代がやってきているのです。
そこで今回のPTA会報の校長の筆便りという欄に、私は生徒の皆さんに伝えたい思いとして、松下電器産業、現パナソニックを一代で築き上げた松下幸之助氏の『学ぶ心』という一節を書きました。紹介します。
学ぶ心さえあれば、万物すべてこれ、我が師である、語らぬ石、流れる雲、つまりはこの広い宇宙、この人間の長 い歴史、どんなに小さなことでも、どんなに古いことでも、宇宙の摂理、自然の理法がひそかに脈づいているのである、そしてまた、人間の尊い知恵と体験がにじんでいるのである、これらすべてに学びたい。
この一節には、まさに松下氏の謙虚に学ぶ姿勢と共に、その学ぶ力を自己のエネルギーにしていこうとする積極的な姿勢が表現されているように感じます。そして、そこには、今、本校が求める『思考する学びへの挑戦』という目標とも共通するものを感じています。
これからの変化の激しい・予測の難しい時代を生き抜いて行く皆さんにとって、常に『学ぶ心』をしっかりもって、今後の学校生活に臨んでいってくれることを心から願っています。
それでは、皆さんにとっても、一生に一度の2022年の夏休みです。この夏休み期間中も、一人ひとりが最大限に感染防止対策に取り組み、さらに熱中症等にも充分注意をはらい、思い出多き夏休みにしていって欲しいと願っています。2学期始業式には、また一段と成長した皆さんにお会いできることを心から期待し、1学期終業式にあたってのお話しとします。
千葉明徳中学校・高等学校
校長 園部 茂