学校生活
2学期終業式
新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、放送での実施となりました。
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2021年12月23日 千葉明徳高等学校第二学期終業式 校長講話
皆さんおはようございます。今日で2学期が終了します。2021年は、皆さん一人ひとりにとってどんな1年だったでしょうか。
コロナ禍の状況は、残念ながらまだまだ完全な収束の方向は見えてきません。この間の感染状況を振り返ってみると8月20日前後では第5波のピークを迎え、国内の感染者数はなんと25000人を越える日が続きました。そんな状況の中で国内では、一気にワクチン接種が進んだことで日本国内の感染者数は激減し現在に至っています。しかし、ここに来て日本国内においてもオミクロン株の感染拡大への驚異が日毎に高まってきており予断を許せない状況が続いています。生徒の皆さんには、この冬休みも含めて、大切な自分のために、大切な家族のために、そして大切な友達のために、日々の健康観察をきちんと行なうこと、また責任ある行動を取っていくことを改めてお願いします。
さて、この一年の大きな出来事では、なんと言っても8月から9月に行われたオリンピック・パラリンピックがありました。 今回のオリンピックでの日本選手の大活躍の様子は、2学期の始業式で皆さんと振り返りました。
8月24日からは、オリンピックに続きパラリンピックが開会されました。本校卒業生の水泳の荻原 虎太郎選手の活躍も光りました。そして、このパラリンピックを通してパラアスリートの皆さんは、試合後のインタビューで多くの感動的なコメントを残してくれました。
その背景には、どの選手もここ舞台に立つまでには、様々な葛藤があり、言い尽くせないほどの悔しさや、たくさんの努力があったことは言うまでもありません。そして、選手の皆さんのインタビューで、共通して語られていたことがありました。それは、周囲の人々への感謝と社会への感謝の言葉でした。正直なところ私自身も今回の日本開催という身近なことでなければ、パラリンピックの素晴らしさや奥深さをここまで知ることは出来ませんでした。
2030年という未来に向けた持続可能な開発目標SDGsの17のテーマの根底には、多様性を認め合う社会の実現という大きな目標があります。今回のパラリンピックを通して私自身も様々な点で新たな気づきと自分の生き方を見つめ直すキッカケにもなりました。年末・年始には、今回のオリンピック・パラリンピックの特集番組も組まれています。是非、皆さんも、そんな視点で今回のオリンピック・パラリンピックを見直してみて欲しいと思っています。
もう一つ、学内での出来事を話します。それは、皆さんも驚いたと思いますが、元メジャーリーガーの鈴木イチロー氏が本校にやってきたことです。生徒の皆さんには、イチロー氏が来ていることは、12月3日最終日にお知らせしました。学校関係者では、野球部の顧問の先生方と理事長と私だけが、その場所で見せて頂く幸運に恵まれました。私自身も今回の夢のような機会に立ち会わせて頂いてイチロー氏の一挙手一投足も見逃すまいと三日間、真剣にメモを取りながら見させて頂きました。
今回のイチロー氏の訪問は、まず11月28日の日曜日に國學院久我山高校が本校に来て練習試合を行いました。この日、イチロー氏は、グラウンドでこの試合を観戦し、終了後両チームを1時間半ほど指導して下さいました。さらに、12月2日、3日の両日、本校に来て頂き、のべ15時間くらいに亘って本校の野球部の生徒を指導して頂きました。
今回の経験で私自身がまずもって感じたこと、それはイチロー氏の人間性でした。おこがましい限りではありますが、イチロー氏は、終始紳士的に誠実に生徒を指導して下さいました。
まず、最初に驚いたのは、練習が始まるとあの世界のイチロー氏が本校選手に混じって準備運動から一緒にやっていることでした。その姿には、私自身もほんとうに頭が下がる思いがしました。
走塁練習では、イチロー氏がファーストベースに立ち、足の運び方、コース取り、手の振り方など、実践的に指導して下さいました。そして、生徒の目の前でファーストからサードまで、まずは自分が走って模範を示して下さいました。本校生徒にとって世界一流のプレーを目の前で見ることが出来たことは、本当に素晴らしい経験たったと改めて感じました。
さらに、キャッチボール練習では、相手をした本校の生徒はたいへんだったことと思います。最初は間隔も近かったのですが、少しずつ間隔が拡いていき、最終的には、イチロー氏がレフト奥まで下がり、そこからライト側の生徒へ送球、それはまるで例のレイザービームを思わせるボールで、周りで見ていた生徒からはどよめきが起こっていました。
そして、練習中の生徒を観察しておりますと、そうとう緊張しながらイチロー氏の横に立ち質問させて頂き、『有り難うございました』と言って振り返った生徒の顔は、安堵感と満足感に満ち溢れていました。
今回の出来事は、野球部の生徒諸君にとって野球に取り組むモチベーションを大いに上げて頂いたことは言うまでもありません。さらに、それだけに止まらず、人間的にも大きく成長していくキッカケを頂いたように感じました。
今後、全校生徒の皆さんにとっても、様々な機会に『イチローさんが来たんだって』と聞かれることもあることと思います。内容については、今日少しだけ、皆さんにお話しました。
私は、今回のイチロー氏の来校は全校生徒の皆さんにとって、自分自身の通う千葉明徳への自信と誇りを深める出来事になったことことを確信しています。イチロー氏は、多くの著書も出しています。この機会に是非、読んでみて欲しいと思っています。
それでは、2021年も残すところ数日となりました。コロナ禍の不安な日々は、もう少し続いていきます。しかし、ずっと言い続けていますが、出口は必ずあります。このコロナ禍が収束して、前向きな学校生活が一日も早く実現することを信じ、皆さんと共に頑張っていきましょう。
それでは、来るべき2022年、皆さんにとっても、千葉明徳にとっても最高の年になることを願い、私からの話とします。皆さん、良いお年をお迎え下さい。
千葉明徳中学校・高等学校
校長 園部 茂