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第73回卒業証書授与式

投稿日2023/3/3
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3月1日(水)
第73回卒業証書授与式を挙行し、3年生292名が卒業しました今年度は保護者様は1名のみとはなりましたが、卒業する姿を直接見ていただくことができました。また、昨年同様本年度もライブ配信も行いました。
ご卒業、おめでとうございます。卒業生の活躍を期待しています!

<校長式辞>

  弥生3月、日差しの温もりから、ようやく春の足音が感じられるようになってまいりました。
  本日、ここに千葉明徳学園 福中 儀明理事長、千葉明徳中学校・高等学校 同窓会会長 荒木 由光様はじめ多くのご来賓の皆様方のご臨席を賜り、第73回 卒業証書授与式を挙行できますことは、大きな喜びであります。
  ただ今、呼名を受けた292名の卒業生の皆さん、改めて卒業おめでとうございます。そして、本日、ご列席の保護者の皆様方におかれましてもお子様方のご卒業、心からお祝い申し上げます。
  さて、卒業生の皆さんが、本校で過ごした3年間は、日本のみならず世界中が新型コロナウイルスとの闘いに中にありましたが、そんな中でも希望の持てる出来事も沢山ありました。皆さんが1年生だった12月、2014年の打ち上げから、実に丸6年のミッションを経て、はやぶさⅡが地球への帰還を果たしました。さらに、皆さんが2年生になった年、コロナ禍で一年延期になっていた東京オリンピック・パラリンピックが開催されました。また、3年生になって記憶に新しいところでは、サッカーワールドカップカタール大会が開催され、日本は強豪国スペイン・ドイツを破り、まさに『ブラボー』な闘いをみせ、日本中が歓喜に包まれました。
  そんな中で卒業生の皆さんが本校で過ごした六年間あるいは3年間を振り返ってみると、皆さんが入学する直前、全国に初めての緊急事態宣言が発出され、全国の学校が休校になるという異例の事態となりました。そして、入学式を迎えた皆さんの高校生活は、いきなり二ヶ月間の自宅学習から始まりました。この3年間を振り返ると皆さんは、何度もオンライン授業を経験してきました。コロナ禍にあって千葉明徳の先生方は、大きな決意をしました。それは、『生徒の学びを止めない』ということでした。その都度、皆さんは自分達のおかれた状況をしっかり理解してくれて、自覚を持ってオンライン授業に取り組んでくれました。改めて生徒の皆さん、そして保護者の皆様方のご理解・ご協力にも深く感謝申し上げます。
  こうしてスタートした皆さんの高校生活、2年生までの2年間は、コロナ禍の収束が見えない中で、文化祭や体育祭、そして皆さんの最大の思い出作りの場になるはずだった修学旅行も、ことごとく中止を余儀なくされました。そして、3年生になった1年間は、コロナ禍との折り合いを付けながら、少しずつ学校の日常が戻ってきました。5月には、全校遠足を実施しました。これがなんと3年生にとって初めての校外学習でした。
  さらに、2学期が始まり、9月3週目には、明高祭を実施することが出来ました。明高祭の実施も実に三年振りで、準備期間から校舎内は、段ボールや絵の具・マジック・角材など、いわゆる文化祭ならでの臭いに包まれ、文化祭への高揚感と期待感に溢れていました。
  さらに、10月に入っての体育祭、午前中だけのプログラムでしたが、クラス対抗リレーや部活対抗リレーなど、久しぶりに学校全体が一つになる体育祭ならではの醍醐味を感じることが出来ました。まさに明徳の体育祭も『ブラボー』でした。
  そして、部活動も今年度は、コロナ禍の制限の多い中にあって、ほぼコロナ禍前の各大会や発表会等が行われました。三年生の皆さんにとって自己の頑張りの総まとめを確認出来る場が持てたことは、本当に良かったと思っています。
  こうして皆さんが過ごした本校での三年間を振り返って見ると、随所にコロナ禍の影響を色濃く受けた3年間でした。しかし、そんな中でも皆さんは、決して自己を見失うことなく懸命に学習にも励み、進路選択に邁進してくれました。改めて、そんな中での皆さんの頑張りを心から称えます。
  そして今、皆さんは、旅立ちの時を迎え、何を思い、どんな決意をしているのでしょうか。そんな、皆さんの旅立ちに当たり、二つのことをお話しします。
  一つ目は、学ぶことの意義についてです。
  教育学者である故大田 堯先生の著書の題名でもある『生きることは、学ぶこと』という言葉の意味についてお話しします。先生の著書の中で書かれているこの『生きることは、学ぶこと』という一節に対する私なりの解釈は、【一人ひとりの人間は、それぞれにユニークな人生の設計図を持っている。そして、その設計図は決して固定的なものではなく、『学び』によっていくらでも変えていける。個々人が豊かな学びによって個性溢れる設計図を花開かせていくドラマこそが『生きる』ということである。】と理解しています。例えば、今、ロシアによるウクライナ侵攻について皆さんは、どんな意見を持っていますか。つい先日で一年が経ちました。一般の住民が暮らす住宅にミサイルが撃ち込まれています。人と人とが銃撃戦で戦うという現実がこの地球上で実際に起こっているのです。皆さんには、こうした現実からも目を背けることなく学び続けて欲しいのです。今後の変化の激しい、予測の難しい時代の中で、学ぶことで真実を見抜いていく力を身につけることが出来るのです。卒業生の皆さん一人ひとりが、これからも『学ぶ心』をたくさん持って、豊かな人生を力強く歩んでいってくれることを心から願っています。
  二つ目は、どんな時も夢を持ってこれからの人生を歩んでいって欲しいということです。
  実はこの学年には、本来ならこの卒業式の場には居るべき、もう一人の仲間がいました。彼は、卒業後、海外の大学への進路も決定していました。通夜・告別式に参列させて頂いた折に、彼の使っていた英語の辞書と愛読書が展示されていました。英語の辞書には、膨大な数の付箋が貼ってありました。また、愛読書は、ユニクロの創業者の柳井 正氏の著書、さらに日本のベンチャー企業の草分けでもある京セラの創業者の稲盛 和男氏の著書が展示されていました。後に、彼の友人から聴いた話しでは、彼は起業を夢見ていたとのことでした。そんな夢半ばで天国に旅立った彼に対して、ここで改めて皆さんと共に冥福を祈りたいと思います。そして、皆さんには、これからも彼の分も含めて大きな夢を抱いて人生を歩んでいって欲しいと心から願っています。
  それでは、いよいよ卒業生の皆さんの旅立ちです。皆さんの卒業を心から祝福し、入学の時に贈った、 高浜 虚子の句を再度贈ります。
『春風や 闘志 抱きて  丘に立つ』 『春風や 闘志 抱きて  丘に立つ』
いよいよ卒業生の皆さんの旅立ちの春です。
卒業生の皆さんの前途が、洋々たるものであることを確信し、将来への末永い、ご多幸をお祈りし、式辞と致します。

令和5年3月1日
学校法人千葉明徳学園
千葉明徳中学校・高等学校 
校長 園 部 茂