校長ブログ
令和6年度入学式
本日、中高の入学式が実施されました。
小雨の中で花冷えはしましたが、満開の桜の下での実施となりました。
中高とも新入生は緊張ぎみでしたが、これからの明徳での3年間ないしは6年間、力いっぱいがんばるんだという、みなぎる思いが伝わってきました。
これからの明徳での成長を期待しています。
〈校長式辞〉
春雨にも、明徳の満開の桜が皆さんを心待ちにしていました。
そして今日、このよき日を迎えることができましたことは大きな喜びでございます。今日この場に、多くのご来賓の皆様にご臨席の下、令和6年度千葉明徳中学校・高等学校 入学式を挙行できますことを、心より感謝申し上げます。
ただ今、入学許可をいたしました、中学生77名、高校生291名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。千葉明徳中学校・高等学校の教職員一同、皆さんの入学を心から歓迎いたします。今日この日の新鮮な気持ちを胸に、これからの学校生活に励んでいただきたいと思います。これからの3年間ないし6年間の歩みは、皆さんの将来にとっての礎となることでしょう。
また保護者の皆様方、お子様方のご入学、まことにおめでとうございます。私たち教職員一同、今日の喜びを共にさせていただくとともに、これからの中学校・高等学校課程の教育における責任の重大さを身にしみて感じているところでございます。中学校や高校の教育において、学校と家庭が協力し合い、温かい愛情の中にも、厳しさをもって接していくことが、人間力や学力を高めることにつながることと思っております。どうぞ、保護者の皆様方の、本校の教育に対するご支援・ご協力をお願い申し上げます。
これまで長きにわたって、私たちの生活に大きな影響を与えてきたコロナや、この冬、猛威をふるったインフルエンザが収束することを期待しておりますが、思い起こせばこの4年余りの間、学校を取り巻く環境も大きく変化しました。とくにオンライン授業が急速に普及したことで、教育そのもののあり方が問われることになりました。
そして、リアルな学校生活や学校での学びとは何なのかをあらためて考えさせられました。教育にとって生命線である対話やコミュニケーションは、そのあり方が大きく変化しつつあり、新しいつながりや協働性を探索していかなければなりません。メタバースの世界での匿名性やAIによる思考のあり方の変化にあって、人間としてのリアルな身体や心が軽んじられる嫌いがあります。そのような時代の趨勢にあってこそ、学校教育という場にあって、人間存在の意味について問い直さなければならないと思っています。
そんな時代にあってこそ、皆さんの入学にあたり、千葉明徳中学校・高等学校が目指す教育についてお話しいたします。千葉明徳の教員理念は、校名にもある「明徳を明らかにする」ことです。「明徳を明らかにする」とは、皆さんが一人ひとりの持ち前の人間性を発揮すること、つまり他者を思いやる心を持ち、志を持って、行動していくことです。千葉明徳は、そんな「明徳を明らかにする」人のことを、「行動する哲人」と言っています。そして、そのような大人へと成長するために、千葉明徳中学校・高等学校に在学しているときには、しっかりと知性を養ってほしいと思います。
では、そのような千葉明徳中学校・高等学校において、皆さんはどのように学びを進めて、知性を養っていけばよいのでしょうか。本校のめざす学びは、「思考する学び」です。「思考する学び」とは、二つのことがあります。第一に自らの問いを見出すこと、自らの問いを持つこと、第二に、その問いに対して、自らの力で探究・探索をすることです。
一つめの自らの問いをみつけることですが、これはなかなか難しいことです。何もわからない中では、問いは生まれようもありません。勉強であれ、何をするのであれ、問いが立てられれば、目標や答えの半分は達せられたといえるかもしれません。そのように問いを立て続けることは、最終的には、自分自身がどのように生きていくのかという問いに結びついていくものだと思います。
そしてもう一つは、その問いに対して、自分なりの答えを見出すために、筋道を立てて探究・探索することです。探究を進めていくには、たくさんの経験や知識を積み上げて、これまでの自分自身を振り返ること、また他の人のやり方や方法に手がかりを見出すことが大事です。何か新しいことを始めるためには、手がかりやヒントがなければ、その実行は不可能です。そこから、見よう見まねで、まずやってみる必要があります。
千葉明徳での学びを通して、自らの問いを持ち、その答えに向けて歩んでいく、そんな人になってください。
今日のこの晴れの日に、新入生の皆さんは期待と不安のうちにあることでしょう。勉強のこと、友達のこと、将来のことなど、そうした期待や不安は、行動することによってこそ期待は実現し、行動することによってこそ不安は解消します。自分は今、何をすべきかを考えながら行動していってください。少しずつでかまいません。「行動する哲人」として、動き始めてみてください。
皆さんの限りない可能性を信じて、お祝いの言葉とさせていただきます。令和6年4月6日
学校法人千葉明徳学園
千葉明徳中学校・高等学校
校長 宮下 和彦