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学校生活

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3学期始業式 校長講話

投稿日2021/1/7
 

明けましておめでとうございます。本年も千葉明徳高校をよろしくお願い致します。昨年は新型コロナ感染対策に追われた一年でした。また、年末からは一層の拡大が続き、今日7日にも一都三県に緊急事態宣言が発出される見通しです。それを受けて本校も明日からは登校時間の繰り下げ(登校時間に幅を持たせる)や授業終了後の即下校を行う(部活動の中止)事になりました。新型コロナウイルス感染拡大の収束を願うばかりです。さて、本日はHR後に避難訓練を行った後、3学期始業式を校内放送で行いました。校長講話の内容を載せておきますのでお読み下さい。来週末には本校の前期入試を控えています。消毒の徹底など万全の体制で臨む決意です。

2021年1月7日  第3学期始業式 校長講話

 新年、明けましておめでとうございます。
  この冬休み中も新型コロナウイルスの感染拡大が進み、間もなく一都3県に二度目の緊急事態宣言がだされようとしています。本校においては、前回とは異なり、全面的な休校ではなく、様々な制限と制約の中で学校生活を送っていくこととなります。昨日の段階で基本的な今後の学校生活については、連絡をしましたが、今後も先生方の指示をよく聞いて、くれぐれも自分自身が感染しないよう、万全の注意をしながら3学期の学校生活を送っていきましょう。
  さて、そんな中で今日は新年のスタートに当たり、2つのことをお話しします。
  一つ目は、このコロナ禍になってよく耳にする『新しい日常』という言葉についてです。昨年3月、高輪ゲートウェイ駅が誕生し、その駅に「無人コンビニ」がオープンしました。新型コロナの感染が拡大する中、対面しない接客が話題になりました。そのコンビニを経営するTTGという会社は、今後4年間で100店舗まで増やす計画を打ち出しました。特に過疎化や高齢化で悩む『買い物弱者』の多い地域から、多くの関心が寄せられました。このコロナ禍の中では、身体的な接触や対面がことごとく敬遠され、その点からも、まさに『新しい日常』が確立されてきていると言われました。
  さて、皆さんは接触や対面を敬遠するこの『新しい日常』をコロナ禍が収束しても、さらに継続して進めていくむべきだと思いますか。本校でも、ここまでのコロナ禍を振り返ってみると、必要に迫られてオンライン授業をたびたび行ってきました。確かに仕事によっては、また学校の授業によっては、オンラインの方が向いている内容もあるのかもしれません。コロナ禍となり、そんな『新しい日常』が定着し始めてから間もなく丸一年が経ちます。そんな中で今、私には気がかりなことがあります。それは今後、コロナ禍が収束していったとき、私達の社会は、人と人との関係作りが苦手になってしまうのではないかということです。私は思います。自分の強い思いを本気で相手に伝えたり、相手と本音でやり取りすめようなときには、フェイスtoフェイスで直接、顔を見ながら話しをすることが、改めてとても大切なことだと感じています。皆さんにも、コロナ禍の今だからこそ、もう一度人と人が直に接することの意味、面と向かって会話することの意義を真剣に考えてみて欲しいと思うのです。
 
  2点目です。二つ目は、高校1年生で自分の将来の生き方を見つけた一人の日本人を紹介します。先日の朝日新聞のグローブという冊子に世界の温暖化問題に立ち向かうケンタロ・オノさんと方が紹介されていました。オノさんは、現在43歳、なんと高校1年生の時に太平洋の赤道直下の島国キリバスという国の美しさに魅せられ留学を決意しました。そして、そのまま定住し、23歳の時にキリバスに帰化しました。キリバスという国は、第二次世界大戦中の1941年から43年にかけて日本軍が占領したこともありました。1979年にイギリスから独立し、現在に至っています。その中でオノさんは、昨年11月、仙台市の実家からアメリカ大統領選挙の行方を見守っていました。それは、アメリカのパリ協定の正式離脱が大統領選挙の開票日の翌日11月4日に迫っていたからでした。パリ協定とは、温室効果ガスの排出規制に賛同する国が加盟する協定です。世界で最も温室効果ガスを排出する国の一つであるアメリカがパリ協定から脱退するか否かは世界の環境問題にとっても大きな問題です。実は、キリバスという国は、今、地球温暖化の影響を最も色濃く受けている国の一つです。このまま、地球温暖化が進行していけば、キリバスという国は2050年には、海面上昇によってなんと国土の約8割が水没すると予測されています。
  日本でも、菅内閣が発足して、その公約の一つに2050年までの温室効果ガス排出実質ゼロを目指すことを表明しています。オノさんは、地球温暖化の現状を訴えるために、実家の仙台市を拠点に日本国内での講演活動を行っています。オノさんは、訴えます。今、地球温暖化に加え、コロナ禍が世界を覆っている、未来が不確実な時代だからこそ、希望を失いたくない。希望がついえない限り、僕は訴え続ける、そう力説しています。環境問題に真正面から立ち向かっている、そんな日本人がいることを覚えておいて下さい。機会があったら、本校でも是非、講演をお願いしようと思っています。
 
  それでは、2021年、この1年の中でも、皆さん一人ひとりに様々な変化が待ち受けています。その変化の中で自分の進む道に迷ったら、より勇気を必要とする道を選んでみて下さい。きっと、その先には、皆さんの大きな成長が待っているはずです。
  結びにあたり、千葉明徳にとっても皆さん一人ひとりにとっても、最高の一年になることを心から期待し、新年にあたってのお話しとします。 

     千葉明徳中学校・高等学校
          校長 園 部  茂